『はてなの日』 by takaba




 少しまだ暑い秋の始まりの日。
「え?」
「・・・え?」
 彼女が振り返ると、頬杖をついてた手をはずしてキョトンとする人がいる。
「だから、・・・なに?」
「・・・なにってなに?」
「だーかーらー、何か言ったでしょ?」
「言ってません・・・・」
「そう? 声が聞こえたんだけど。。。空耳かしら」
 首を傾げつつ掃除を続けるために歩き去る金髪を見つめつつ、栗色の頭はふるふると振られた。

―確かに言いました。心の中でね。あー、びっくりした。いくら「耳」がよくてもそれは聞こえすぎ。 チャンネルも開いてないって言うのに・・・。

 あまりに耳がいい美少女相手に呟くことすらできない言葉。いっそ大声で叫んでしまえば恥ずかしくない のかもしれない。でも半分とはいえ日本人の彼としてはそんなことできないのだ。彼女はわかっているは ず、だから言わなくたって伝わる言葉。
 だが、そう思っていても ― いつでもふいに―彼は改めて思うのだ。
「君が好きだよ・・・。」
 口の動きだけで呟いた途端、廊下の向こうから聞こえる声。
「ねー、暇ならお掃除手伝っ・・・て」
「!・・・はいはい!」
 彼女の言葉が不自然に遠くなったことには気が付かず、彼は自分の赤い顔をどうしようか考える。いや、大丈夫。彼女の前にいくまでには赤い顔も治ってることだろう。いっそ走っていこうか。家の中を2,3周。彼女は呆れ顔で笑うだろう。
「なにやってるの?」
 そうしたらこう言っておこう。
「運動不足解消。ギルモア邸は広いからね。」

 ところで、彼が暇であるか確認しようとスイッチをいれて振り向いた彼女がその唇の動きを読み取れてし まったのは彼には内緒の話。だから彼は行った先で思うのだ。
(ずいぶん一生懸命掃除してるんだな。暑くて赤くなってるよ、顔が)




<管理人より>

前回TOPのフランちゃんを見て降った(!!)との事で
takabaさんからこ〜んな可愛いSSいただいちゃいました〜っ♪いやっほ〜っ(踊)
ありがとうございますですtakabaさん〜!!
#これがいわゆるエビで鯛を釣るって奴なのですなうほほほほほ!!!(ふんぞり返り)<止めんかい(蹴)
そっかぁあのフランちゃんの視線の先にジョーくんがいるんじゃなくて〜
ジョーくんの妄想の中のフランちゃん像だったんだ〜そっか〜♪納得〜♪<て描いたのお前だろ(汗)
とりあえずジョーくん、キミ2,30周走って妄想蹴散らしときなさい(何じゃそりゃ)

ちなみに今回の挿絵、いつもと雰囲気変えてみようかと思って主線カラーインクで描いてみた…んですけど…何か失敗…っぽい…?(汗汗汗汗汗)
ごごごごめんなさいイヤでも表情は結構いんじゃないかと思ってあのその…びんぼーしょー…(ボソ)

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