「比翼」  by のこのこ





・・・狡い。


狡いわ、貴方。
そんな顔して・・・そんな瞳を、して。
卑怯、だわ。

・・・いつも、そう。
私のことなんか、視えてない。

私に、そんな・・・背中を向けて。
その瞳は、何処か・・・遠くを、観てる。

どうして・・・かしら。

その背中に・・・翼が、生えて。
一瞬、羽ばたいた・・・ような。
・・・そんな気が、して。

『・・・行かない、で』

そんな私の、心の中の・・・呟きが。
もしかして・・・届いて、しまったの?

貴方が・・・振り向く。
ゆっくりと。

「・・・僕は、此処に居るよ」

・・・ああ。

「君の傍に・・・居る」

・・・もう、貴方ったら。
やっぱり・・・狡い。
・・・卑怯者。

それでも私は・・・手を、伸ばす。
・・・貴方の、その背中へと。
そしてそっと・・・手を、触れる。

「・・・あったかい」

小さく小さく・・・呟いて。
ゆっくり、頬を・・・寄せてみる。

「君も・・・だよ」

肩越しに、私を見つめる・・・貴方の瞳。
微かに笑う、貴方の気配。
優しく揺れる・・・その、笑顔。

いつの日か・・・
その翼を・・・天まで、拡げて。
・・・力強く、羽ばたいて。

願わくば・・・
・・・その瞬間(とき)、まで。
共に在らん・・・ことを。

・・・いいえ、必ず。

「私も・・・此処に、居る・・・わ」

必ず・・・此処に。

「貴方の・・・傍、に」

貴方がフッと・・・私から、遠ざかる。
・・・見上げると、目の前に。
貴方が・・・居た。

「・・・ありがとう」

やっぱり、ね。
・・・卑怯、なんだから。
ダメよ、そんな・・・顔をして。

でも・・・赦してしまうの。
この瞳を・・・見てしまったら。
その腕に・・・包まれてしまったら。

そして私は・・・
またその背中に・・・手を、伸ばす。
大切な、大切な貴方の・・・広くて優しい、その肌に。

何処にも、行かせない。
・・・ううん、違うわ。何処へでも、行っていいの。
貴方が目指す、その場所へ。

一緒に、行く・・・から。

嫌とは、言わせない。
そんな、狡いこと。
そんな・・・卑怯な、こと。

「・・・連れて、いって」

貴方の腕は、純白の羽根。
私をすっぽり・・・包み込む。

「・・・うん」

いつか私も・・・この、腕で。
貴方を・・・包み込めたなら。

貴方は応えて・・・くれるわね・・・?





『一緒に・・・行こう』









管理人より:
先日某チャットでご一緒していただいた皆様、お待たせいたしました(笑)
私がめったやたら「ひっきょーものおおおお!!!」と叫んでた原因はコレです、コレ。
今年のお誕ジョー日3部作及び電子同人誌への投稿作を見て降った…って事で書いてくれたんですけど。
ほ〜ら爆裂に卑怯でしょ〜〜〜っっ(大笑)
だってもう添付開いた途端に叫んでしまったんだもん私←それも朝っぱらから(倒)
その後数日にわたり妙にテンションの高いメールが飛び交ったのは言うまでもなく(笑)
・・・で、最初はバースデイTOP収納する時に一緒に掲載しようかと思ったんですが、
あまりの悔しさに「決めた!!もう1枚描く!!描くったら描くぞこんちくしょおおおお!!!」と思わず叫んじゃったのです私ったら(汗)
・・・あ〜まだ何かのこのこさんの「お〜ほほほほほほ!!!」て高笑いが耳に残ってるような気が←幻聴だ幻聴、しっかりしろ私(涙)

て事で!思わずツボ憑かれ(字が違うっ)てしまう素晴らしいブツをありがとうございましたデス〜>のこのこさん(ひれ伏し)ちきしょ〜(ぶつぶつぶつ)←まだ言ってるし(笑)
でもってもう逃がしませんで〜(邪笑)いざ共に歩まん、卑怯者同志の道をっっ(爆笑)

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